今回は、有効性監査について記載します。 JIS Q 9100:2016箇条9.2.1 b)の要求が、有効性監査の要求になります。
※前回の内部監査についてを読む(配信2021.9.28)

3.有効性監査
有効性監査について説明する前に、「プロセス」と「有効性」の定義について今一度確認します。
「プロセス」とは、「インプットを使用して意図した結果を生み出す相互に関連する、又は相互に作用する一連の活動」と定義されていますので、品質マネジメンシステムを構成する活動・業務の単位ということができます。「品質マネジメンシステム体系図」や「タートル図」などで、プロセスの明確化ができます。

「有効性」とは、「計画した活動を実行し、計画した結果を達成した程度」と定義されており、PDCAの管理サイクルの計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)を行うことです。

  • 「計画」には、目標項目と目標値を達成するための実行計画書によるもの と、標準化した設定した項目と設定値を達成するための規定・要領 があります。
  • 「計画した活動」とは、この実行計画書又は規定・要領とおりに実行することです。
  • 「計画した活動を達成した程度」とは、評価指標又は管理値などに対するパフォーマンスの達成度です。

このため、プロセスの有効性監査では、JIS Q 9100箇条4.4.1 c)及び箇条9.1.1で要求されているプロセスの運用状況が管理されているかを監査することになるので、

  • 「プロセスの管理指標・管理値で達成度を評価するだけでなく、実行計画書又は規定・要領どおりに達成できない場合は、適切に修正及び是正処置が取られているか」

を監査する必要があります。

JIS Q 9100:2016
4.4.1 c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法
(監視、測定及び関連するパフォーマンスの指標を含む。)を決定し、適用する。

9.1.1 一般
組織は、次の事項を決定しなければならない。
a)監視及び測定が必要な対象
b)妥当な結果を確実にするために必要な、監視、測定、分析及び評価の方法
c)監視及び測定の実施時期
d)監視又は測定の結果の、分析及び評価の時期
組織は、品質マネジメンシステムのパフォーマンス及び有効性を評価しなければならない。
組織は、この結果の証拠として、適切な文書化した情報を保持しなければならない。

それでは、有効性監査はどのように実施すればいいのかとなりますが、JIS Q 9100認証に関する認証機関の審査は、航空宇宙工業規格SJAC 9101F「品質マネジメンシステム 航空、宇宙及び防衛分野の組織に対する審査要求事項」が適用されますので、これに基づき運用プロセス(箇条8)の有効性を以下に示す「プロセスの成果達成度」と「プロセスの実現度」の2点で評価し、5段階の評価マトリックスで適合/不適合を判定します。

(1)プロセスの成果達成度(結果):計画した結果が達成された程度
・運用プロセスに関連するKPI(Key Performance Indicator)の測定、目標及び実績をプロセスの有効性評価報告書(PEAR)に記録
(2)プロセスの実現度(実現):計画した活動が実行された程度
(3)プロセスの有効性の評価 …審査した運用プロセス(箇条8)の有効性を評価
a)プロセスの実現度:計画した活動が実行された程度
b)プロセスの成果達成度:計画した結果が達成された程度

一方、組織では認証機関と同じ有効性のレベル評価を行う必要はないので、以下のように取り組むことを推奨します。
(1)ルールを遵守して、改善するという姿勢で監査する
(2)運用プロセス(箇条8)に重点を置いた有効性監査を実施する
(3)日常管理に重点を置いた監査を実施する

具体的な実施方法については、弊社の「内部監査員養成セミナー」で解説していますので、参考にされることをお勧めします

文責 古郡 秀一

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