サプライヤの立場でこの工程変更管理の進め方を考えてみます。手順を追って説明しましょう。

1.工程変更の対象の明確化
製造工程、検査工程、設備、治具、工具、加工/検査プログラム、加工条件、検査条件、材料など作業手順書、工作表などに規定されている条件すべてが変更管理の対象です。但し、人に関しては、対象になりませんが、特殊なスキルのいるものは、技能認定者であることなどの制限はあります。

2.工程変更管理の顧客要求の確認
変更管理に関する顧客の要求がある場合には、その内容の確認を行います。協力先への品質保証仕様書などで要求され、重要な変更と軽微な変更に分け、重要な変更は、顧客に変更申請を提出させ、承認するまでは変更を行わないという要求などとなっています。また、変更申請に使う様式なども規定されていることが多い。

3.工程変更管理のルールの設定
工程変更管理に関する社内のルールを制定します。規模の大きい企業などでは変更管理審議会など組織化するケースもあります。そして変更発生時に実際にそのルールで運用し、無理なく適用できることを検証します。

一般的な手順としては、工程変更をしたい部署で変更通知書を起草し、変更管理の取りまとめを行う部署で必要な検討を行い、変更通知書に変更の可否、そのための条件など明確にして変更部門に結果を通知し、指示に従った処置をさせます。

4.サプライヤへの変更管理の要求
3項で社内のルールを設定しましたが、自社のサプライヤに対しても同じで、サプライヤから変更通知書を起草していただき、社内の処理ルールに則り判定してサプライヤに返却します。

5.変更管理の運用(次回に細部は説明)
実際に変更申請が出てきた場合、概ね下記のような検討をします。

(1)内容の確認:
変更申請書に書かれている内容を確認する。特に変更前と変更後の内容がわかりやすく書かれているか?変更が品質に影響しないことの確認がされているかなどポイントにしてレビューします。

(2)変更内容の判定:
変更内容を審議し、変更していいかどうかの判断を行う。その際、自社で判断できない場合には、顧客に伺い出て判断を仰ぐ必要があります。重要な変更の場合には、再試験なども行います。変更がされた後には、一般的には部分/再FAIが必要になることが多い。その際は、部分/再FAIを変更適用の初ロットで実施するよう指示します。

最後に、変更管理の難しさは、工程変更を徹底するためには、社内のルールを作り、そのルール通りの処置をすること、社員一人一人にまで徹底することなどが非常に重要であることを申し添えます。

次回は、工程変更管理の事例を示します。

文責 山本 晴久